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■ 歯の残り方
 80才になっても20本は自分の歯を残しましょうということで、8020運動というスローガンを聞かれたことがおありでしょう。たしかに28本の中20本が残っていれば、大きな入れ歯も必要になりませんから快適な状態を維持することができるはずです。ただ同じ20本とはいっても残りの歯が丈夫かどうかによっても様子が変わりますし、抜け方によっては困った事態が出てくることもあります。

  1.  まず無くなった8本の歯が1箇所か2箇所に集中しているか、ばらばらに散らばっているかが問題です。処置としては散在している方が容易なのは当然です。上か下一方で8本が無くなればかなり大問題ですが、4本ずつということならずっと楽になります。さらにそれが前後左右などにばらければ幸運です。



      欠損なし



      4567欠損



      67欠損

  2.  もう一つは無くなった歯の位置です。歯並びの中間の歯が無くなった場合は処置方法も選べますし経過も安定しています。しかし歯列の端から無くなってしまった遊離端欠損は簡単ではありません。

  3.  次は上と下との欠損の組み合わせです。一般的に上も下も同じ部分が無くなってしまった場合の経過は悪くありません。反対に上は前歯が無くなり、下は奥歯が無いというような状態は困りものです。入れ歯にも歯にも偏った力がかかり、一度こうした方向に流れ始めてしまうと、じり貧になっていくのが分かっていても止めることはなかなかできなくなります。

  4.  上下でちぐはぐに歯が無くなれば自分の歯同士が噛み合わさる場所が少なくなります。それにつれて噛み合わせは不安定になるとともに、相手がいなくなった歯は少しずつ挺出してきます。向かい合うところに入れ歯が入っていれば、それを食い込ませたり壊す原因になります。こうした状態で残りの歯の数が十数本になった場合、入れ歯を作るには最悪の状態になってしまいます。英語ではこうした状態を表現する言葉はありませんが、私たちは「すれ違い咬合」と呼んでいます。

  5.  私は30年ほど前から「すれ違い咬合」に注目し対応の限りを尽くしてきました。しかし未だ問題解決にはほど遠い状態です。今できることは、事前にその状態を察知して防御することしかないといっても言い過ぎではありません。上下4本の大臼歯が左右2本ずつ互い違いに欠損したら、信号は完全に黄色です。