■ 多種多様な部分入れ歯
■ 入れ歯を直す
■ 歯の残り方
■ 義歯食事
■ 食事の工夫
■ 義歯食レシピ
■ 義歯食を使っての食事

 これまでに幾つの義歯を作ってきたのか今となっては想像もできませんが、いつもなるべく良く噛めて邪魔にならない入れ歯を目指してきたことは間違いありません。とくにこの2〜30年はブリッジ(固定性の義歯)に匹敵するような取り外し式の入れ歯を目標に努力してきました。徐々に成果は実り時には「入れ歯の入っていることを忘れて・・・・」というようなお話を頂くこともありました。反対に歯科医側としては「もう少しお手柔らかに使って頂けないか」とお願いするようなことも出てきました。
 自分ではまだ義歯を使ったことがないので、患者さんのお話を伺っての試行錯誤でしかありませんでした。ところが最近になって次第に自分自身の歯が弱ってくると、右で噛もうか左で噛もうかと戸惑うことがでてきました。あわびやなまこなど大好きだが食べるのをちょっと躊躇するという事態も起こってきました。今のところは恐る恐るながらなんとかなっていますが、下降ぶりから推測するとGive Upは間近になってきたのを感じます。
 ちょうどこんな時、研究会の発表で「義歯向きの調理法」という話を耳にしました。5年か10年前だったら“そんなことは歯科医として責任転嫁だ”などと反論していたかもしれません。しかし今は痛みが分かり始めたところなので耳をそばだててしまいました。そして「できれば内容をわがH.P.への掲載を!」と交渉することになったのです。幸い快諾が得られましたので逐次アップさせて頂ます。
 お話しではきっかけになったのは山田晴子さん編著、赤堀博美さん料理の「家族といっしょに義歯でおいしく食べる」(女子栄養大学出版部)という著書だったとのことで、この本の主旨を受けてその後次々とレシピを考えられたようです。この活動の中心になられたのは東西茨城支部の塙章一先生、料理を担当されたのは水戸プラザホテルの矢口一徳さんです。その主旨の一部をご紹介します。

■ 義歯食とは?
入れ歯と上手につきあって、家族といっしょに美味しく、楽しく食事をとるための方法です。
また義歯が合わない、歯肉だけで食べているなど、お口にトラブルがあっても「美味しく食べられる」ために調理法を工夫します。

■ 義歯食の利用
  1.  調理の工夫で、いつもの料理を食べ易くする。
  2.  見た目は、家族のおかずと同じ。
  3.  昔の食感を取り戻し、心豊かになる。
 私達は、この義歯食という手法を使って、普通の献立の中で食べられる料理を工夫し食生活の質を高めて行こうと提案しています。義歯を使っている方や物を食べる能力の劣ってきている方でも、気軽に外食ができる環境を持つことが、健康維持のためには欠かせないことです。そこで、義歯食が注文できるお店を確保し、外の空気に触れる機会を増やすための安全な道を整備すれば、QOLの向上に繋がるものと信じています。