デジタル・スクエア

もぐらのつぶやき

こだわりの部屋




2006年その1

2月8日兄弟分
   マダガスカルで初登場のD200、診療室に入っても快調に働いています。見ただけではほとんど分からない程度に大振りのグリップが、プラス200グラムの重さと質感とともに存在感を主張します。次の楽しさはクリアで大きいファインダーで、視野の決定やフォーカスにも気合いが入ります。感動は金属ボディにがっちり受け止められるシャッター音で高まり、大型背面モニターに映し出される撮影画像でクライマックスに達します。1ショット1ショットをいとおしむような感じで、義務感でばたばた撮っていたこれまでとは大きな違いです。
 D70のRAW+Basicで較べるとJPG画像も一段ときれいになったので、D200になってからでのRAWの出番は減っています。いいことだらけですが重い荷物を下ろしてからD70を見る目も優しくなりました。安っぽいボディやシャッター音も、小さなファインダーやモニターも兄貴分の陰に隠れていればもう怒られません。「電池も食わずにちょこまか良く動くじゃないの!近場の外出やスキーなどにはお前も連れてってやるよ!」ととんだ豹変ぶりです。褒めてやるとスライドのデユープだWeb用の画像作成だとますます働きます。兄弟で操作法がほとんど変われないのはニコンの強みです。
 聞くところではD200、現在も2ヶ月のウェイティングも変わらないとか。自分の懐には関係なくても嬉しい限りです。トヨタ、キャノンと経団連会長のポストは回っていても2番手がしっかりしないと絶対にだめなのです。

3月10日口腔内撮影用ミラー 2



   この話題は04年の11月にも載せたことがあるのですが、どうもきちんと理解されていないようなので、再度、書くことにしました。問題はミラーの反射率が画像の明るさに大きく影響するということです。東京都産業技術研究所のテストでも7種類の市販品の反射率は最高97%から最低59%までばらついていました。
 その位ならたいしたことないじゃないかと思われるかもしれません。しかしそう簡単には行かないのです。もしストロボの光量を100とすると、ミラーを使わない正面観の撮影では、そのまま100の光量がカメラの撮像素子に届きます。ところが大半のミラーは反射率70%位ですから、ストロボの光が被写体に届く時には70になってしまいます。70の光で照らされた歯列の状態がミラーに反射させてカメラに届くには、もう一度ミラーのロスが避けられないのです。繰り返すとカメラから出たストロボ光とカメラに戻ってくる画像の明るさ両方で30%づつが失われるわけです。
 結果としてミラーを使わない場合と比較すると49%しか受光素子には戻ってこないのです。反射率が95%であれば往復しても90%は確保されますから無視しても良いでしょう。しかし半分以下になるのでは補正が必要です。テスト品の中で最悪の59%のミラーでは、正面観の1/3以下になってしまうのですから、ミラー撮影で画像が暗くなるのは当然です。
 抜本的な解決策は反射率95%クラスのミラーを使うことなのですが、市販品にはありません。コストを考えながら製造を引き受けてくれる相手を探すのは容易なことではありません。撮影頻度はミラー撮影の方が圧倒的に多いわけですから、こちらで基準を決め、正面観には一段明るさを落とすことが安直な解決策です。何れにしてもカメラだけではなくミラーは大切な道具です。平面度が悪く画像が歪むミラーもあるくらいですから。

3月21日デジタル一眼のラフ・テスト
   この週末から2006年の臨床基本ゼミが始まりました。第一回はデンタル、パノラマX線、口腔内写真の撮り方などを、実習を交えみっちり2日間のプログラムでした。今後の宿題やケースプレに向けての基本技術を確認しようというねらいです。29才から45才までの14名の方々に、講師側も約10名のメンバーを動員して対応しました。
 後かたづけをしながら口腔内写真実習のデータを眺めていていくつかのことに気づきました。その第1は、昨年までのこのゼミではその半分を占めていた、小型デジカメ組がいなくなって、すべてが一眼レフになったことです。(まだしぶとく続けている会社もありますが、供給元は消滅していますから不良在庫整理中なのでしょう。)
 ニコン、キャノン、ペンタックスの使用者が6・3・5人で、ほぼ1/3づつだったので、個人別になっていたホルダーをメーカーごとに集めてみたところ、面白い傾向が浮き彫りになりました。赤のニコン、黄色のペンタックスという傾向です。ニコンはD50、D70、D1Hなどさまざまでしたが、キャノンはEos kissが大半を占めていました。はじめてデジカメを使うような人もいますし、ストロボもさまざまで、テストというにはあまりにも乱暴ですが、逆にそのラフさがメーカーによる傾向をはっきりさせたことも否定できないようです。とくにアンダー気味の画像ほど色味の癖が浮き出ています。事前にすべてのカメラの設定はチェックはしなかったので、キャノンの中にはホワイトバランスを大きく動かしたようなものも入っています。またニコンの赤の強いものはD50で、仕上がり設定が影響しているようでした。(撮影後の調整はせずPhotoshopコンタクトシートで並べ変えました。)

 臨床経験10年前後でほとんどが30代の撮影者は、カメラのことこそ詳しくありませんが、臨床家としてはきわめて優秀で熱心な人たちです。大半の人は暗中模索の末いずれかのデジタル一眼レフを購入し、スライドではあり得なかった色の偏りに悩んでいるのです。ペンタックスの人たちはイエローがかった色調に、ホワイトバランスを大きく動かしたキャノンの人もイエローに悩んだ末の設定だったようです。

 もし、これらの画像から1本のプレゼンテーションをつくれといわれたら、プロでも色調合わせに苦労すること間違いありません。フィルムに較べればまだまだ未成熟なデジタル画像を支えているのは、即時性や可変性などの利便性に過ぎないのです。写真のことではローエンドかも知れない人たちが「何が本当の色なのか?」というデジタル画像の最大の欠点を見事に暴いてくれたとも言えるでしょう。

4月16日口腔内撮影用ミラー Ref 97
   長らく懸案になっていた口腔内撮影用ミラーですが、ようやく市販できる段取りが整ってきました。TTL接写に見切りをつけ、ミニリングによるマニュアル撮影を推進するには、どうしても欲しいアイテムだったのですが、国内を探し回っても見つからなかったミラー素材がドイツで見つかったからです。半ば諦めかけていたところでしたが、先方もドイツ国内で同種製品を製造していたことから、とんとん拍子で話が進み始めました。
 テスト、デザインのオーダーが進みロット契約までこぎ着けましたので、遠からず発売できると思います。基本形は昔、ペンタックスで作ってもらっていたものを踏襲しましたが、当時はできなかった曲線の加工もとりいれ、一歩、前進できたと思います。
 何と言っても自慢できるのはペンタックスの94%を上回る反射率97%で、現在国内で市販されているミラーを大きく上回ります。肉眼で見ただけでもはっきりするクリアな画像は、撮影時50%の光量ロスがほとんどゼロになる証です。
発売日、価格は未定ですが、現在市販されているもの以下で、5月下旬を目指しています。

4月20日K-Maxは不滅?
   白色LEDを使って口腔内写真がとれないか?と熱中していたのはついこの間のことのようですが、デジタル・スクエアにその記録はなく「蔵」の中に仕舞われていました。2002年のことですから、もう4年も経っているのですが思い入れが強かっただけに記憶は新鮮です。手作りの開発段階に、部品を探して秋葉原を歩き回った技工室の人達も同じ気持ちで、コスト高で継続生産はできなくなりましたが、愛用機は技工室の第一線で頑張っています。
 顕微鏡の部品として蛍光灯を使った照明装置はあってもこちらはコードレス。支柱に乗ったバッテリーともども片手で持ち歩ける手軽さは抜群です。かつてのユーザーの方でミニリングに切り替えられた方にはぜひお勧めします。
 LEDの素材は現在も大きく進歩はしていませんし、コストもほとんど下がっていません。大事にして上げて下さい。

4月21日電子手鏡の8年  その1




   1998年には、まだデジタル一眼レフは登場していませんでしたが、小型デジカメが100万画素に届き使い勝手も向上してきたので、何とか臨床に応用できないかと考えていました。

 当時の主力は親指カメラと呼ばれた小型ビデオカメラでした。日本の歯科メーカーは自社では製作せず、日本製電子器機を組み合わせた米国製品を輸入して売りまくっていました。たった40万画素しかなのに動画を静止画に変換するために、カート一台の図体にもなる馬鹿馬鹿しい装置でした。それに水をかけてやろうというのが「電子手鏡」という発想でしたが、勝算はありました。

 むかし話は98年9月号の歯界展望の「電子手鏡のすすめ」に譲りますが、小型デジカメで始まった電子手鏡は、その後エルモ製資料提示装置DT 70に引き継がれました。自現機から出てきたデンタルX線フィルムを、すぐに拡大して見たいというニーズが高かったからです。DT 70はこの目的にはぴったりの装置で多くの人に愛用され、生産中止が決まった時には身内で在庫の争奪戦がおこるほどでした。フォトビデオカメラなどと呼ばれる同種の製品もありましたが、使い勝手は断然エルモでした。

 カメラで撮影したりパソコンを操作したりする手間が無く、濡れたフィルムでもシャーカステンの上に置けば、そのまま見られる魅力が、ニコンD1に始まるデジタル革命の中でも厳然と生き残ってきました。

 しかしこのことは患者さんへの画像提示を「ビデオ・テレビ・ライン」に依存させ、パソコンによるシステム展開を妨げる弊害も生みました。症例の記録というラインは完全デジタル化されながら、即時性を生かした患者さんへの提示がなおざりになったのは、大半の患者さんが古くからの方々で、あらためて全顎の提示を必要とすることが少なかったためで、その空間にエルモががっちり根を張ってしまったのです。

 遅ればせながらシステム再構築を考え始めました。

4月23日電子手鏡の8年  その2




   再構築に当たっては、デンタルX線撮影をどうするかという問題と、テレビかパソコンかどちらのディスプレーを使うかという2つの問題があります。
 現在はセレクターで切り替えてエルモと一眼レフを使っているのですが、この点はさして問題がないだけに大画面のテレビが優勢になってきたのです。いくら便利だといっても画素数的にエルモには限界があるのですが、カメラから入力するとなるとX線フィルムの撮影という問題が壁になります。シャーカステン上の撮影にはカメラの固定が必要になるからです。エルモを買いたくても現物がない人には、アクリルのチューブで固定する方法などをお勧めしていましたが、自分で使う気にはなれませんでした。
 スライドデュープ用の装置などのように、レンズの先端部に取り付けることも考えましたが、撮影時も外した時も装置がじゃまなになります。そんなことなら小型デジカメ撮る方が簡単そうですが、入力が2系統になるのでは何にもなりません。1台のカメラで現在よりシンプルな方法でなければならないのです。ISOを上げることも考えましたが戻し忘れが避けられないでしょう。

 明るいシャーカステンでも手持ちは無理と決めてかかっていましたが、むかしリングストロボを光源にしてデユープをしていたことを思い出しました。被写体を明るくすれば良いのだと気づいてから、問題はすらすらと解けてきました。乳白色の蛍光灯にフィルムを近づけるとワット数にもよりますがF11で1/500位が切れます。
 手持ちならばフィルムを立てて横からの撮影の方がすべてが楽です。レンズとフィルム間は約16センチですから、カメラをキャビネットの上面で固定することもできます。
仕上げはランプの明るさと、間に挟むアクリル板の厚みをコントロールすれば、口腔内撮影と同じ条件、マニュアルでF19、250で、すべての撮影がまかなえることになります。ただしミニリングのスイッチだけはOffにして下さい。

 ここまでくれば一安心、セレクターもエルモも個別のシャーカステンの不要になりました。撮影台は自動現像機のそばに一台あれば十分で、キャビネット上もすっきりしました。どちらのディスプレーを使うかはゆっくり考えます。長年お世話になったエルモの行く先も考えて上げたいと思います。



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