金子歯科医院

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軽トラ温泉誕生記

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 出版騒動も一段落してこのところ温泉に熱中しています。といっても温泉巡りではありません。1983年生の真鶴のわが家のまわりは、背後の箱根、隣の湯河原、熱海と温泉にとり囲まれています。それにもかかわらず真鶴は空白地域で、眺めは良いのでこれで温泉があれば!・・・とは長年の悲願でした。サウナを含め幾つかの風呂を作ってはみましたがやはり温泉とは訳が違います。

 


 

  

 

 物語は2年ほど前にさかのぼります。伊豆山の温泉で忘年会をやっていた席で支配人から「うちではお湯が余ってしまって毎日大量に排水に流しているけれど、そのため周りの温度が上がってしまって蚊が出るというクレームが・・・」という話を耳にしました。とんでも無いことだ!、何か名案はないか、トラックで運べないだろうか・・・・というところまではすぐ思いつきました。

どんなトラック?。何リッターあればいい?。タンクはどうする?。

 

 

 

 現在の浴槽2杯分位 を運ぶとすれば、500リッターぐらいが目安になることは分かってきましたが、下手にステンレスでタンクなど作ろうものなら、中古トラックより高価になることは目に見えています。トラック荷台の寸法、タンクの容量、サイズなどを検討し流用できそうなものを探しました。農薬散布用のものと活魚運搬用の水槽が目的に合いそうで、どちらも2〜3万円程度で入手出来ることが分かりました。プラスチック肉厚などから活魚用で、軽トラ搭載可能なものを発注しました。500リッターを入れれば積載量はオーバーで、国道からの急な上り坂も気にはなりましたが、まあ3万円ならいいだろう。

 

 

 次は運んできたお湯を浴槽に移す方法です。生憎と風呂場は2階なので、何かでポンプアップしなければならないのですが、どんなポンプでどの位のパワーがいるのか皆目見当がつきません。秋葉原に出かけこれこれしかじか。ポンプは比較的簡単にけりがつきましたがホースでは難航しました。始めに選んだのは消防車ホースのように柔らかくて巻き取り可能なものでしたが、これでは何度も全身ずぶぬれになりました。玩具の笛で、息を吹き込むと螺旋状に巻かれたべロのような部分が伸びるものがありますが、それと同じでポンプが働いてお湯が流れ出すや、ホースは急に棒状になるのです。U字型にして浴槽に入ってくれることを期待していたものが天井に吹き上げたり、長崎オクンチの蛇踊りのように暴れ回ったり後始末は大変です。U字型の部品を作ったり、一部を塩ビのパイプを使ったりいろいろやってみましたが、少しでもカーブすれば折れ、折れればお湯が流れずどこかでパンクするという事態に泣かされました。最後はジョイントで分割可能にして、全て塩ビのパイプということになりましたが、このために軽トラの停車位置は厳密を要することになりました。
 次は温度管理です。積み込んだときは60度ちかくでとてもそのままでは入れません。といって水でどんどんうめてしまうのも残念です。一方、冷めてきたお湯の温度を上げようにも、釜のついている浴槽はないのでこちらはもっと問題です。外釜付きに変えるとなると大工事ですし、釜が温泉成分で痛むともおどかされました。結局、コスト面から投入式のヒーターを使うことになりましたが、お世辞にもスマートな形ではありませんし、パワーも決定的に不足しています。
 ともあれ、中古軽トラをもらってきて体勢完備、My温泉はスタートしました。

 

温泉
 

 支配人以下ホテルの人たちも好意的に協力してくれ,備品の改良で積み出しも次第に簡単になりました。しかし一人での作業は厳しく、毎回、ホテルの人に手伝ってもらうのもだんだん気兼ねになってきました。そんな折、またまた支配人から「伊豆山の湯本でお湯を安く分けてくれるところがあるよ!」という話がとびこんできました。早速ご案内付きで現地へでかけました。

現地地図

 

 

 今度はホースまで設置されているのでこれを伸ばしてコックをひねるだけです。5分ほどでタンクは一杯になります。支払いは回数券で何と300円。旧道沿いなのでこれまで支払っていた熱海ビーチラインの片道通行料金です。温泉の管理をしている同世代の安田さんとも2〜3回で意気投合してしまい、話をする楽しみも増えました。

 

軽トラ
 

 ちょうどもらってきた軽トラが6年目の車検になりました。書類などを取りそろえているとき「国府津に軽トラ新古車が沢山並んでいるよ」という話を聞きつけました。早速出かけてみるとスズキの中古車センターで50〜60万の札がついた新古車が10台ほど並んでいました。残念ながらちょうど先方は夏休み、こちらはそのあと当分見に行く時間がとれないので、生まれて始めて電話だけで商談をまとめました。ターボつき5速マニュアル、エアコン、パワステ付きで60万円。Dr.永田の23年もののジープの半分以下でこちらはピカピカの新車です。必要書類は郵送しておいて、ある週末はじめて国府津駅に降りました。電話では旧知、合うのは始めての営業マンに迎えに来てもらい、夕日の西湘バイパスを快適にドライブして帰りました。この日のワゴンRといい、新しいスズキ・キャリーといい6年前の軽トラとは大変な違いで、数年間の技術的な進歩には驚かされました。気をよくしてあちこち走り回っていますが、久々の5速ミッションに時々軽トラに乗っていることを忘れたりして、オット・・・・。

 

お湯
 

できれば風呂に入っているときにチョロチョロお湯が流れ出してくれると、もう一つ温泉気分になれるのだが!とはかねがね思っていました。タンクより浴槽の方が下にあれば何の問題もないことなのですが、あいにく風呂は2階です。小さなポンプをリモコンで動かせば良いかなと探しに出かけました。数千円で家庭用のポンプがありました。通 常のビニールホースを使う仕様になっています。パワーが足りないかもしれないとは思いましたが、つぶしはききそうなので買って帰りました。芝生散水用のホースをつないでテストをしてみると、流量 は少ないのですがチョロチョロという用途にはむしろ強力すぎます。

 これまでのポンプのように2〜3分でという訳にはいきませんが、10分あれば風呂は一杯になります。塩ビパイプのセッティングがなくビニールホースだけなので作業は嘘のように簡単です。ホースを長めにしておけば軽トラを何処に停めてもOKですし、蛇踊りも噴水事件も起こりません。考えてみるとポンプが強力でパイプが太すぎたためにあれこれ苦労をしていたわけです。チョロチョロという用途からくみ上げ用に昇格したポンプで、気軽に隣近所まで給湯して歩けるようになりました。冬に向かって軽トラ・タンクの保温工作がこれからの課題です。

 

タンク
 

 先日、タンクをくくりつけていたロープがゆるんでいたことを発見して、少々青くなりました。これまでは何事もありませんでしたが、お湯を積んでいるときは積載量 オーバーの500キロです。ゆるんでも不思議はありません。トラックの荷台から転落したらなどと考えるとぞっとします。素人細工には荷が重いと判断、仲間の大工さんをつかまえてて保温を兼ねた枠組みを作ってもらいました。下には発砲スチロールを敷き、木枠は荷台の鉄板にボルトで固定しましたから今度は万全です。タンク周囲の断熱は、梱包材などに使うエアークッションです。ダイビングプールで、広い水面 の保温に使って有効なことが分かっていますし、何しろ120cm巾でも10メートルで数百円です。

 

ハワイプレート
 

 先日、ハワイのAAPで、レインボーマークとALOHA STATEというナンバー・プレートが気に入りました。ワイキキで大分探しましたがこの時は見つかりませんでした。ところが先日ちょっと不思議な形の宅急便が届きました。本ではないし、大きな講演もしていないので感謝状でもなしと思いながら開けてみると、探していたナンバー・プレート。「持つべきものは友達!」などと悦に入っていますが、盗難にあわぬ ようどうやって取り付けるか、ジープのテールランプと同様に悩んでいます。名案があったらお知らせ下さい。湘南-ALOHA STATE-温泉軽トラは、これから湯煙を上げながら走ります。(煙突有り)

 


 

フロ
  

 冬場になってさすがに露天の方はお休みしていますがMy温泉は快適そのもの、内部の浴室関係ではバージョンアップを続けています。まず当初使っていた大きめのポンプとそれに見合う少し太めのホースを使うことで汲み上げ時間を短縮しました。これまでの10分が5分以内になり3階にもスムースに送れるようになりました。湯本での積み込みも満タン6分ですからかなりの高速化です。
 次は浴槽へお湯の流入口です。露天風呂の方はトップの写真のように、軽トラのタンクから竹筒を通 して流入させる方式で一応まとまっていました。しかし室内の方は自然流入させるようなタンクはありませんし、目の前には目障りな混合水栓がついています。ポンプで循環させるとしてもこの邪魔者は気になります。さりとて水栓を取り外すふんぎりはつきません。

 

フロ2

 

   ある日、流し場の腰掛けがちょうど水栓に引っかかりそうなことに気付きました。座面 が前面になるようにあてがってみると何カ所かぶつかりますが何とかなりそうです。つかえている部分を一カ所ずつ落としていくと最後にストンとはまり込みました。安定感、脱着もOKですし、蛇口は下側をスイングできます。

フロ3

 

 

 檜の板で上に乗せる蓋を作り、短いパイプを通 しました。パイプの下側にはポンプへいくチュ−ブをつけ、上側には噴水のように吹き出してくるお湯を前に流すために庭の竹をはめ込みました。(実際はもう少し試行錯誤がありましたが)スイッチを入れるとさわやかな水音とともにお湯が流れ落ちポンプの音はまったく気になりません。思わずガッツポーズ!

 

フロ4
 

 だんだん欲が出てお湯を板状に流したくなりました。蓋に傾斜をつけたり堰を設けたりポンプの流量を変えたりしているとだんだん良い感じになってきましたが、湯冷めしてきてまずはこれまで!。

(03.10)  


 

 

 

 

 

フロ

  

 その後も真鶴温泉は順調ですっかり生活のなかにとけ込んでいますが、そろそろバージョンアップの時期がきました。
 源泉の温度は60度ぐらいありますからお湯をタンクに入れると、20センチぐらいは離れている運転席の背中もかなり暖かくなります。夏場はこのまま放置して置いても翌朝まで入浴可能です。さらにこの暑さなら、タンクに日が当たれば水温保持時間は伸びるはずです。むかし、黒いビニール袋を家の屋根に取り付け、これに水道水を入れておくと夕方には家族全員、ただで熱い風呂に入れるということで何年か使っていたことがあります。調べてみましたが今は完全に消えてしまったようです。自然エネルギー利用で太陽光発電、風力発電に先駆けること30年!だったのに残念です。
 代わりになるかどうかは分からないのですが、軽トラに積んでいるものと同じタンクをベランダに置いてみることにしました。黒いビニール袋では水道水が40度以上になったわけですが、今度は元が60度ですから温度低下を防止できればよいわけです。
 保温に役に立たなくても汲んできたお湯を移す先ができれば、積載量オーバーのトラックで夕食の買い出しに出なくてもすみます。満載時は下り坂では制動距離は伸びるし、信号停止時にもお湯が波打ってトラックは波間の小舟状態なのですから無駄にはならないはずです。2つのタンクで1000リットルのお湯が確保できます。通常の浴槽は250リットルですからかなりの量ですし、これ以上欲張っても運搬も保温も大変になるだけと考えました。

 

フロ2

   留守中にタンクは届いていました。いきなり屋根に上げるのも問題ですからまずは2階のベランダへ移動することにしました。縦横1メートルのタンクは単独作業にはなかなかの難物でギブアップ寸前でしたが、角に丸みがあったのでフンコロガシになったような気分で何とか押し上げました。次は塩ビの配管工事です。2個のタンクにそれぞれ排水用の小さなポンプを入れて2方向の水流をつくる仕掛けです。ただタンクの設置場所が確定していないので、ジョイントに接着材はつけずにつないでみました。個歯トレーの試し印象と同じだ!などと納得しながら。
 太い配管にはこりているので、塩ビのパイプ径も細めにして末端にはホースを使う予定でした。距離が10メートル以上になるので試運転までは心配でしたが、軽トラから直に送る場合に較べるとやはり時間はかかりますが、我慢できないほどではありません。決められそうなところには接着剤でかため2箇所ほどコックをつけて一段落です。何回かテスト走行のうえ冬場の保温も考えて、タンクの位置を決定する予定ですが一波乱はありそうです。

(08.02)  


 

  

 ようやく大工さんの手が空いて物置の屋根の方にベランダを延長してもらいました。少々目障りだったブルーのタンクが視界から外れて、リビングからの海の眺めは元に戻りました。タンクの位 置が決まったので配管を一部変更し建物の外壁に固定しました。配管1.は2階の浴室行き、配管2.はベランダのタンク行き、配管3.は露天浴槽行きで、送る側はすべてワンタッチで切り替え可能ですが、2階浴槽への取り込みだけは窓をあけてホースを引き込むことが必要です。
 仕事が一段落して大工さんとの会話です。
「タンクの所からの海の眺めは最高!露天風呂ならベランダの先端だ!」
「また風呂つくるの?それにあのベランダは10年たつているからちょっと危ないんじゃない」
「250キロぐらいならちょっと補強すれば・・・」
「それもいいけど、だいたいあのタンク、上蓋をとれば五右衛門風呂みたいなもの。あれを浴槽にしてしまえば良いんじゃない。色はいまいちだけど」
「考えようによれば軽トラの方のタンクだって同じこと。温度をちょっと熱めにして星が山公園に上って、真鶴半島を眼下に一風呂とか・・・」
「箱根で別な温泉を入れてきて十国峠で缶ビールとか・・・これぞ軽トラ温泉」

(10.08)  

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