金子歯科医院

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その3   実戦体制

 D1XにストロボとLEDを着け変えながらぼちぼちテストをしていましたが、これではなかなか実戦体制に入れないので、意を決してリングストロボは片づけてしまいました。得意の背水の陣です。はじめは少し心配でしたが撮影枚数は一気に増え、それとともにこまごましたことも分かってきました。つい無影灯を動かしてからファインダーを覗いて、その不必要なことに気がついたりするのがその第一歩です。ワーキング・ディスタンスは不足気味ながら105ミリより60ミリの方が光量的に有利なこと、シャッター優先か絞り優先は後者、ややアンダー気味になるので露出補正をかける等々です。オートフォーカスを使うと測定エリアを動かせる便利さも理解できます。一般撮影でもあまり使っていなかったオート・ブラケッティングも有効です。ホワイトバランスはオートは問題ありストロボと同じ5500Kに固定です。
 考えてみるとメディカル・ニッコールなどにどっぷり浸かって、この30年間、カメラのすべての進歩に背を向けてきたことを実感しています。

 

 

その4   コードレス

 一件落着かと思っていたところモニター予定の先生から「今更コード付きか!!」ときつい爆弾マークが飛んできました。メーカーに問い合わせても、電圧12Vで7Wということしかデータがなく、当面はAC電源でスタートし次の機会に!と考えていたのですが、これでDC仕様を急がざるを得なくなりました。メーカーの試作を待っていてはラチがあかないので、秋葉原を徘徊し単三8本をセットするケースを仕入れてきました。
 2度目の徘徊でコードの接続コネクターも見つかり、外部ケースにはカーボランダム・ポイントの空き箱、カメラのアクセサリーシューへの取り付けは、ストロボ増灯用アクセサリ-で何とかまとまりました。ランニングテストも順調で爆弾配送元には写真入りで報告しました。カーボランダムポイントの空き箱を利用したスケルトンボディに赤いゴムバンドという姿は、いかにも初々しく自信作でしたが、講評は「アンデスのインディオの帽子のような格好だ」と手厳しく、ペンキでも塗って使ってみるか!ということなのです。
 いささかがっくりきましたが週末のスキーでエネルギーを取り戻し、3度目の徘徊で黒いプラスチックのボックスとスライドスイッチを探してきました。技工室の協力も得て2号機ができあがりました。「これではペンキもマジックも塗れない!」と、どうやら合格になったようです。総重量は電池こみで380グラム、これまで使っていたペンタックスのリングストロボより100グラムほど軽量です。

 

 

 

 

 

その5    電池

 今度こそは!と思っていましたが、最近の撮影データを点検していたところ、シャッター速度が遅くなっているものが見つかりました。AC電源を使っていたときにはF16で1/40以下はなかったのですが、1/20のものがあるのです。考えられるのはバッテリーのドロップです。一本ずつチェックしてもすべて1.5VでOKなのですが、8本まとめると11.4Vになっていてます。新しいアルカリ乾電池では13Vあるのでこれが影響しているのですが、どの時点で交換するのかの判定は困難です。
 多くの人に使ってもらうには電池を替えるか、照明の光量を上げるかが必要です。根本解決は光量アップですが、コスト、サイズアップにつながるのでできれば避けたいところです。「電池の知識」がないことがネックになりましたが、インターネット、電話、ブックセンターで少しずつ先が見えてきました。

 1. 単三のアルカリ乾電池は最も手近だが、だらだらと電圧が低下していくので扱いにくい。
 2. 同じ単三でも充電式のニッケル水素電池は放電特性は良いが、アルカリとは違って1.2Vなので12Vを得るには10本が必要になる。
 3. これまで汎用性にこだわってきたカメラも、デジタルではリチウム、専用のニッケル水素に変わってしまった。
 4. こうした影響かリチウム電池の価格は下がり、コンビニにもかなりの種類の在庫がある。

これらをふまえてリチウム電池の中でも多く利用されているCR123A (3V) に変更することにしました。これによって放電が安定するとともに、長寿命になり、より小型化できます。コストは4本で2000円前後です。ケースの製作はご破算です。

 

その6   光量アップ

 スペックはだんだんエスカレートしてはきたものの、絶対光量についての不安は払拭されていません。ISO400を前提にしてきましたが、絞り値F16をF22にしたいという人、より高速シャッターでないとカメラブレが起こすという人もあるでしょう。より強い散光板をつけたいという人も予想されます。フィルムのISO100にこだわる人もいるかもしれません。すべてへの対応はできませんが今のままでは余裕がなさすぎます。ついに意を決して一段高輝度の製品に移行することにしました。
 これによってLEDの数は108個から159個へ、個々のLEDもより高輝度型になりますから推定ですが明るさはこれまでの3倍程度になるはずです。デメリットとしては外寸が90ミリから110ミリになることです。できれば100ミリに押さえたかったのですが、それでもニコン、キャノン、ミノルタ各社のリングストロボとはほぼ同等です。今週末か来週はじめには今度こそのファイナルテストです。

 

その7   リチウム電池

 秋葉原で新たに多種の既成ケースを取り揃え、技工室のバックアップでリチウム電池用ボックスを製作、1日がかりでテストランを行いました。より実際の使用状態に近づけるため、5分点灯1分消灯で反復しました。65回で光量低下が見られましたので60回、300分の点灯可能と判断しました。回数を1日数回としても2~3週間は使えるはずです。実際の撮影時間は5分以内のことが多いでしょうから1ヶ月近くは使えるはずですが、パワーアップする次回の仕様ではその0.7倍程度になるでしょう。
 ボックスは電池こみで280グラムから110グラムに大幅軽量化しました。

 

 

その8   光量アップ-2

 光量アップの試作品もくるしリチウム電池もOKでそろそろ完成も間近!と気を良くしていました。ところが、ところが!です。3倍を予想していた試作のテスト結果は50%アップどまりでした。大騒ぎをしたところ気の毒に思ってか、メーカーはさらに球数を216に増やしたテストものを、猛スピードで作って下さいました。3月21日の休日に到着ということで、休日出勤で宅急便を待ちました。待望の荷物からは玉砂利のようにLEDが敷きつめられた装置が出てきました。限界への挑戦で発熱量が大きいので点灯は3分以内に!という手紙が入っていました。拡散板を通しても眼が痛くなりそうな光です。
 しかし実写テストの結果では159の前回テスト品の50%アップ、108球の当初の製品の2倍にしかならないのです。大した仕事をしたわけではないのですが、期待が大きかっただけにどっと!疲れが出て気晴らしに自転車で外出しました。桜は満開ですがお花見気分にもなれず、強風に吹かれながら「元に戻ろう」と決断しました。どうあがいても光量ではストロボに敵わないのです。それを無理して「角を矯めて牛を殺す」ような方向に歩き出していたことに気づきました。

その9   製品化へ

 前回までの経緯をご覧いただいた方はそろそろ諦めたかとお思いかもしれません。しかしやり出したら止まらない性格、この程度ではまだまだ軽トラ温泉の何分の一かです。開発意図を絞り込んだことで製品化への道がはっきりしました。折しも臨床基本ゼミでの実習、私の医院内では新卒衛生士のトレーニングの機会があり、テレビにつないでリアルタイムで見る、後からパソコンでゆっくり解説など抜群の威力を発揮しました。懸念された光量不足もISO800にすれば問題なく、色調の低下も思ったほどではありません。カメラを使い慣れて色調重視される方にはISO400と2つの選択ができそうです。
次はコストです。肝心なLED部分はメーカーとの交渉ですが、困ったのは電源ボックスです。100台もまとまれば引き受けてもらえるところはありますが、5台、10台では話もきいてもらえません。さりとて大量在庫を抱えるわけにもいかず、当分はハンドメイド以外に道はありません。ポーセレンやテレスコープの間をぬって技工室に頼むとしても、あまり見苦しかったり、手が掛かったりしては困ります。ほぼ決めていたリチューム電池は諦め単三アルカリ仕様に戻しました。
最後は販売元です。全部自前?とも考えましたが、領収書の発行が金子歯科医院名では経費計上も難しいでしょう。さりとて通常の流通ルートなどに乗せれば、とんでもない価格になってしまいます。結局、基本ゼミの事務局としてボランティア活動をして頂いているMD新潟に(新社名IHS)またまた商売にならない仕事を受けて頂きました。広告はいっさい行いませんが、デジカメを使われている知り合いの方や、 HPなどを通じてご連絡のあった方にはメールでご案内しあとは個別対応です。

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